アラサー入門  (1)アラサー入門、その前に

職場の予備校の冊子2月号に載せたもの。
内輪ノリな文章なのはそのせいです。
保護者も読むので表現に抑制があったりします(最後のアラサーの説明とか完全に保護者と老齢の講師向け)。

「アラサー入門」は10回〜15回を予定。
これからは私も所属する文藝集団En-Soph(エン・ソフ)のブログサイトが出来上がったら、
そちらに書きたいと思っています。(橋本さん、伶さんお疲れさまです!)
ちなみに本文中のアレックスとは私のことです。
職場でのニックネーム。


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 書き手が不足している。原稿が集まらない、などなどの理由で年度末というタイミングの悪さにも関わらずコスモ通信という世界の秘境に連載をはじめることになった(引き続き原稿超絶募集中。コスモ通信は君を待ってます)。
 タイトルは「アラサー入門」。語呂もよく、読む人の興味も引きそうだと思ったのだ。
 個人情報を晒せば、私は今年29歳。「アラサー」ど真ん中。それが人生でもっとも美しいときだなんて誰にも言わせない(byポール・ニザン)。
 このタイトルの方針でいけば、たとえ書くネタに困っても、なんでも「アラサー」目線にしてしまえばとりあえずネタになりそうではないか。「アラサーと食」「アラサーと金」「アラサーと恋愛」「アラサーと犬」「アラサーとアラフォー」。万が一ネタがなくなったとしても、コスモアラサークラスタのフェローKさんやK講師に代わりに原稿を書いてもらえばいい。そんなオトナな戦略性まで含むところは、さすがは「アラサー」。30年近く生きてきただけはあるじゃないか。なんてしたたかなんだと読者は舌を巻くに違いない。
 そして「アラサー入門」は、何を隠そうコスモ生の役に立つ実学なのである。将来コスモ生が社会に出たとき、そこにはなんらかの形で我々「元アラサー」がいるだろう。会社の上司や先輩、あるいは取引先の担当者かもしれない。「アラサー入門」を読んでいればきっと「元アラサー」の生態と飼いならし方がすこしでも掴めるはずである(ていうかその頃には「アラサー」自体が死語と化している可能性大)。同時に私自身の「アラサー」入門でもある。時には私から「アラサー」たちの集うアジトに潜入するかもしれない(例:同窓会とか)。アラサーならではのほろりとする心情吐露もあるかもしれない(例:太りやすくなったとか)。この現代ニッポンに生きるさまざまな「アラサー」の実情をレポートしていければと思う。現場主義徹底宣言。
 さて、ここまで「アラサー入門」の能書きについてくどくどと書き綴ってきたが、これらは全くのおまけに過ぎない。本文の主旨はそれらとは別にある。それはこの筆者である私が「アラサー」ではあるものの、決してまだ30歳ではないということだ。 「えwそれさっき上に書いてたし知ってますけどww今年29歳だろww」という感じだろう。しかし今のうちにここを改めて指摘しておきたい。「センター試験に出るからメモしておけ」とうそぶきたいくらいだ。なぜならきっと夏くらいになって、以下のような会話が繰り広げられることを私はすでに想定しているのだ。
 「アレックスっていくつだっけ?」
 「うーん・・・あ、そういえばさコスモ通信でアラサー入門って変なやつ書いてなかった?」
 「ああ、じゃあ30歳か」
 違うわ! ああじゃあ30歳かじゃねえよ! こちとらまだ28歳だわい! うほ!
 というわけで、こういう会話を聞いたら、至急アレ室送りにしてください。さぁ、改めて声に出して言ってほしい。
 「アレックスはまだ30歳ではない」。
 ノートに手書きしながら声に出しながら、脳内に刻み付けてほしい。
 「まだ30歳ではない。ましてや29歳でもない。まだ28歳。今年の秋に29歳…」 
 と、過剰に年齢を意識していること自体がアラサー的ともいえるかもしれないのだった… 
(しかも年度末にそんなこと言っても来年度の新入塾生に私の声は届かないのだった…)


 【※アラサーとは・・・ Around 30の略。30代前後の世代を指す言葉だとか。】